
WordPress 保守を外注するとき、月額料金だけを比べても判断できません。同じ「月1万円」でも、含まれる作業がまったく違うためです。安いプランを選んだ結果、障害が起きたときに何も対応してもらえなかったという相談は実際にあります。この記事では相場の内訳と、比較のしかたを整理します。
この記事でわかること
- 保守料金の相場と、価格帯ごとの作業範囲
- 料金の内訳(何にお金がかかっているのか)
- 見積もり比較で確認すべき7項目
- 安すぎる保守に潜むリスク
- 自社で運用する場合のコストとの比較
目次
- 相場は月額5,000円〜50,000円
- 料金の内訳
- 見積もり比較で確認すべき7項目
- 安すぎる保守の注意点
- 自社で運用する場合のコスト
- サイトの性質で必要な水準は変わる
- まとめ
相場は月額5,000円〜50,000円
幅が広いのは、「保守」という言葉が指す範囲が会社ごとに違うからです。おおまかには次の3層に分かれます。
月額5,000〜10,000円:更新とバックアップ
本体・プラグインの更新と、バックアップの取得が中心です。障害が起きた場合は別料金となることがほとんどです。「まず最低限の管理だけ」という位置づけになります。
月額10,000〜30,000円:監視と一次対応を含む
上記に加え、死活監視、軽微な修正、障害時の一次対応が含まれます。最も選ばれている価格帯で、一般的な企業サイトであればこの範囲で足ります。
月額30,000円以上:復旧保証と運用代行
上記に加え、改ざん時の復旧保証、コンテンツ更新の代行、アクセス解析レポートなどが含まれます。EC サイトや会員サイトなど、止まると業務に直結するサイト向けです。
料金の内訳
更新作業
本体・プラグイン・テーマの更新です。単に更新ボタンを押すだけなら数分ですが、更新によって表示が崩れないかの確認まで含めると手間が大きく変わります。
ここが会社によって最も差が出る部分です。検証環境で先に試してから本番に適用する会社と、いきなり本番で更新する会社では、同じ「更新作業」でも中身が別物です。後者は、崩れたときに初めて気づくことになります。
バックアップ
頻度と保存世代数、そして復元の実績を確認してください。取っているだけで戻せないバックアップは珍しくありません。ファイルとデータベースの両方が対象になっているか、保存先はサーバーと別かも重要です。
世代数も見落とされがちです。1世代しか保持していない場合、改ざんに気づくのが遅れると、侵害後の状態で上書きされたバックアップしか残らないことになります。
監視
サイトが停止したときに気づく仕組みです。「止まっていたことをお客様から言われて知った」という事態を防ぎます。監視間隔と、通知先・通知方法を確認してください。
障害時の対応
ここが最も差が出ます。月額に含まれるのか、別途時間単価なのか、そもそも対応するのか。「対応します」ではなく「どこまで無償で、どこから有償か」を確認してください。
見積もり比較で確認すべき7項目
- 更新前に検証環境で確認するか
- 更新で不具合が出た場合、戻す作業は月額に含まれるか
- バックアップの頻度・保存期間・復元テストの有無
- 改ざん・障害が起きた場合の対応範囲と追加費用
- 月あたりの作業依頼枠(何時間・何件まで)
- 連絡手段と返答までの目安時間
- 解約時にデータやサーバー管理権限を引き渡してもらえるか
特に7番目は見落とされがちです。管理権限を渡してもらえず、別の会社へ乗り換えられないという相談は実際にあります。契約前に確認しておくべき項目です。
5番目も重要です。「相談し放題」と書かれていても実際の上限が不明確だと、依頼が増えたときに対応が滞るか、追加請求になるかのどちらかになります。上限が明記されている方が、結果的にトラブルになりません。
安すぎる保守の注意点
月額3,000円程度のプランは、実質「更新ボタンを押すだけ」であることが多く、更新で表示が崩れても対応されません。
WordPress の更新は、失敗したときの復旧まで含めて1つの作業です。そこが含まれない金額は、保守ではなく作業代行と考えた方が実態に近くなります。
また、極端に安いプランでは次のような制約があることがあります。
- 更新は行うが、更新後の表示確認はしない
- バックアップは取得するが、復元は別料金
- 障害時の連絡はメールのみ、返答は数営業日
- プラグインの不具合は対象外
これらが明記されていれば誠実です。問題は、書かれていないまま契約し、いざというときに判明するケースです。
自社で運用する場合のコスト
外注しない場合も、コストがゼロになるわけではありません。
- 月1回の更新作業と表示確認:1〜2時間
- 脆弱性が公表された際の緊急対応:都度、半日〜
- 障害発生時の調査と復旧:半日〜数日
担当者の時給換算に加えて、対応できる人が休んだときのリスクも含めて比較してください。属人化している状態は、担当者が退職した時点で運用が止まります。
また、緊急対応は時期を選べません。制作の締切と脆弱性の公表が重なったときに、社内だけで捌けるかどうかが実質的な判断基準になります。
サイトの性質で必要な水準は変わる
- 会社案内のみ・問い合わせフォームだけ:月額1万円前後で十分なことが多い
- 予約・会員機能がある:止まると業務が止まるため、障害対応が含まれるプランを推奨
- EC・決済がある:個人情報を扱うため、セキュリティ対応を含む上位プランを推奨
- 更新頻度が高い:作業依頼枠の大きいプラン、または更新代行を含むプラン
「同業他社が月1万円だからうちも」ではなく、止まったときに何が起きるかから逆算して決めるのが妥当です。
まとめ
- 相場は月額5,000〜50,000円。幅が広いのは範囲が違うため
- 差が出るのは更新の確認方法と障害時の対応範囲
- 7項目を確認すれば、金額の妥当性は判断できる
- 安すぎるプランは「保守」ではなく「作業代行」
- 自社運用のコストとリスクも含めて比較する
WordPressレスキューでは、必要な作業だけを選べる形で保守をご提供しています。「今の保守内容が適正か見てほしい」というご相談も承っています。


