
サーバー会社から「PHP のバージョンアップをお願いします」という案内が届いても、押していいのか分からない——という相談は非常に多いです。実際、確認せずに切り替えてサイトが真っ白になったというご相談も少なくありません。この記事では、自分でやる場合の手順と、代行を依頼した方がよいケースを整理します。
この記事でわかること
- PHP を上げないと何が起きるのか
- いきなり本番で切り替えてはいけない理由
- 自分でやる場合の5ステップ
- エラーが出たときの症状別の見分け方
- 代行を依頼すべきケースと費用の目安
目次
- なぜ PHP を上げる必要があるのか
- やってはいけないこと
- 自分でやる場合の手順
- エラーが出たときの見分け方
- 代行を依頼した方がよいケース
- 費用の目安
- まとめ
なぜ PHP を上げる必要があるのか
セキュリティ更新が終了している
PHP は WordPress を動かしている土台のプログラムです。古いバージョンはセキュリティ更新の提供が終了しており、脆弱性が見つかっても修正されません。WordPress 本体をいくら最新にしても、土台に穴が空いたままという状態になります。
更新できなくなっていく
WordPress 本体や主要プラグインは、順次古い PHP のサポートを打ち切ります。放置すると「更新したいのに、PHP が古くて更新できない」という状態に陥ります。こうなると、セキュリティ更新も適用できなくなります。
表示速度が変わる
古いバージョンから最新に上げるだけで、体感で分かるほど速くなることがあります。同じサーバー、同じサイトのままで改善するため、費用対効果は高い施策です。
やってはいけないこと
本番サイトでいきなり切り替えることです。PHP のバージョンが上がると、古い書き方のコードはエラーになります。テーマやプラグインが対応していない場合、切り替えた瞬間にサイトが真っ白になります。
特に危険なのは次の場合です。
- 制作から5年以上経過している
- 自作テーマ、または制作会社のオリジナルテーマを使っている
- 更新が止まったプラグインを使っている
- 他社が作ったカスタマイズが入っている
- ソースを触れる担当者が社内にいない
これらに当てはまる場合、事前確認なしの切り替えは避けてください。
自分でやる場合の手順
手順1:バックアップを取る
ファイルとデータベースの両方です。加えて、実際に戻せることを確認してから進めてください。取得できているつもりで壊れていた、という事態が最も困ります。
手順2:本体・プラグイン・テーマを最新にする
先に最新化しておくと、PHP の新しいバージョンに対応済みのコードになります。この工程だけで問題の大半が解消することもあります。
手順3:サイトヘルスで警告を確認する
「ツール」→「サイトヘルス」に、PHP 互換性に関する指摘が出ることがあります。ここで具体的なプラグイン名が挙がっていれば、事前に対処できます。
手順4:検証環境で試す
ここが自力対応の分かれ目です。サーバーにステージング機能があれば利用してください。無い場合は、サブドメインなどに複製環境を作って試す方法もあります。
検証環境が用意できない場合、いきなり本番で切り替えることになります。多くのサーバーでは元のバージョンに戻せますが、戻せない構成のサーバーもあるため、事前に確認しておいてください。
手順5:切り替え後に全ページを確認する
トップページだけでなく、次を必ず確認してください。
- フォームの送信(確認メールが届くところまで)
- 検索・絞り込み機能
- カート・決済(EC の場合)
- 会員ログイン
- 管理画面の各機能
表示は正常でも、送信処理だけが動かなくなるケースがあります。問い合わせが届かなくなっていたことに、数週間後に気づくのが最悪のパターンです。
エラーが出たときの見分け方
- 画面が真っ白になる — 致命的エラー。テーマまたはプラグインが非対応
- 一部だけ崩れる — 特定の機能が非対応
- 管理画面には入れるが表示が崩れる — テーマ側の問題である可能性が高い
- 特定のページだけエラー — そのページで使っている機能が非対応
デバッグモードを有効にすれば、どのファイルの何行目が原因かまで分かります。ただし本番環境でエラー内容を画面に表示すると、サーバー内のパスなどが外部に見えてしまいます。画面表示ではなく、ログに出力する設定にしてください。
代行を依頼した方がよいケース
- 検証環境が用意できない
- 自作テーマ・独自カスタマイズがある
- 切り替えたら真っ白になった、戻し方が分からない
- 非対応プラグインの代替を探す必要がある
- 止められないサイト(EC、予約、会員)
- 複数サイトをまとめて対応する必要がある
特に4番目は判断が難しい部分です。非対応のプラグインが見つかった場合、代替を探して移行するのか、コードを改修するのかで作業量が変わります。移行の場合、設定やデータの引き継ぎまで含めた検討が必要です。
費用の目安
代行費用は、検証環境の構築と全ページ確認を含めて3〜10万円程度が目安です。以下の要素で変動します。
- ページ数と機能の多さ
- 独自開発の有無と規模
- 非対応プラグインの数と、代替への移行が必要か
- 検証環境をこちらで用意する必要があるか
また、事前調査だけの依頼を受けている会社もあります。「上げて大丈夫かどうかだけ知りたい」という段階であれば、数千円〜数万円で判断材料が得られます。いきなり本番で試して壊すより確実です。
まとめ
- 古い PHP はセキュリティ更新が終了しており、放置すると更新もできなくなる
- 本番でいきなり切り替えない。まず検証環境で試す
- 切り替え後はフォーム送信まで含めて確認する
- 真っ白になった場合はテーマ・プラグインの非対応を疑う
- 判断だけなら事前調査の依頼も可能
WordPressレスキューでは、事前調査だけのご依頼も承っています。「上げて大丈夫かどうかだけ知りたい」という段階でご相談いただければ、リスクの有無をお伝えします。


